月曜日、泉州タオルの工場へ取材に行ってまいりました。
朝5時に起きて子どもたちの弁当をつくり、準備をして8時すぎに出発。
京橋駅で乗り換えて天王寺へ。天王寺から阪和線に乗り換えて日根野駅へ。
到着したのは10時すぎ。なかなか遠いところです。
この日の訪問予定は3工場。
今治タオルにちょっと押され気味の泉州タオル。
でも日本のタオル発祥の地は、実は泉州なのです。
普段何気なく使っているタオル、でもすごく奥が深いんです。
泉州タオルをもっとたくさんの人に知ってもらうサイトを作る、
それが今回の私のお仕事です。
普段何気なく使っているタオル、でもすごく奥が深いんです。
泉州タオルをもっとたくさんの人に知ってもらうサイトを作る、
それが今回の私のお仕事です。
最寄り駅まで迎えにきていただき、まずはサイジング工場へ。
ここは、糸を織りやすくするために糊(のり)をつける加工場です。
出てこられた社長さんは、私とあまり年齢の変わらない女性。びっくり。
先代の社長さんが亡くなられて、跡を継がれたのだとか。
「継ぐ気なんかなかったんやけどな!まんまと乗せられていつのまにかなあ!」
とガハハと豪快に笑う姿は、強くてきれいでかっこよかった。
次に、タオルを織っていく工場。
糊付けした糸を織機という機械で織り上げていきます。24時間体制。
ちらっと写っているのが社長さん。この方もかっこいいねんなー。
ものすごく忙しいなか一日中つき合わせてしまっているのに、常に和やか。
見習わなければ。
最後に加工の要である染工場へ。
先ほど織り上げた反物状のタオルの糊抜き、漂白、染色、乾燥を行う加工場。
これは糊をバクテリアに食べさせているところ。
環境に配慮して、化学物質を使わないタオルづくりが行われています。
化学糊ではなくでんぷん糊を使い、
16時間かけてバクテリアに不純物を食べてもらう。
16時間かけてバクテリアに不純物を食べてもらう。
時間も手間もかかる工程だけれども、モノづくりへのこだわりが垣間見えます。
もっとアピールすればいいのになあ。あ、私の仕事か(笑)
きれいに漂白したタオルを染色していく釜。
晒しの工程を終えたタオルたち。
この後乾燥・検品されて、また次の工場へ。
一枚のタオルが出来上がるまでには、実に長い時間がかかるのです。
タオルの単価が安すぎると思いませんか。
この工場で出される排水は、またバクテリアによって分解され
最後はきれいな水となって川にかえっていきます。
処理をする設備も見せてもらいました。
大阪は全国でも排水の基準が厳しいようで、かなり大掛かりなもの。
工場できれいになった水は、すぐ傍の樫井川へと流されます。
ここはその昔、大坂夏の陣で激戦の舞台となった場所でもあるそうで
仲よく泳ぐ鴨の親子を眺めながら、遠い歴史に思いを馳せてみたり。
泉州って、どうもだんじりのイメージが強かったけれど
なんせ人が温かい。なんだろうなあ、あの温かさは。
お盆前の忙しい時期に、首からカメラぶら下げた見知らぬ主婦が突然やって来て
それでも皆さん快く案内してくださって。
染工場の工場長は話された。
なんでこんな話までするかっていうと、ただ売りゃあいいってのではなく
工程まで載せて売りたいという熱意がある会社だと思ったからだと。
分業制のタオルにはそれぞれの工場の思いが詰まっている。
それがどこまでお客さまに伝わるかは別にしても
まず伝えようと思うこと、それが大切なんだと。
売れて儲かればいいと思ったら長続きなんてせーへんわな、と。
まあ、あとはあなたがどう書いていくかですわな!と。
…は、はい(笑)
たくさんの思いが詰まったタオル。
私はどんなふうに伝えればいいのだろう。
まだ仕事を再開して1年足らず。やはり家事・育児との両立は時に難しい。
サイジング工場の社長さんは出産前日まで働き、
出産後は3時間ごとに家に授乳しに帰りながら今まで仕事を続けてきたと。
「めっちゃしんどかったでー、やっぱり。でもなあ
あの頃の苦労があるから、まあ少々のことがあっても何とも思わへんわー!」
主婦としても母としてもライターとしてもまだまだ駆け出しだけど
書類の職業欄を前に、何て書けばいいのかいまだに迷う日々だけれど!(笑)
けれど、
思いがありゃあ何とかなるかと、そう思えた一日でありました。